新・古美術 【陶 陶】
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日名子実三

装飾彫刻・鳳凰


箱無





 







 価 格:250,000
 サイズ:約
36.7×24.0×18.0cm  約6.5kg

 鬼才と呼ぶにふさわしい鋭い才能で、日本近代彫刻史に確かなページを
 記した日名子実三の作品です。
 製作年代など詳しいことは分かりません。
 作品の中と裏側に管でつながっています。
 建物の一部として使われていたようにも思えます。
 精悍な鳳凰の顔は迫力があります。


●日名子実三 ひなこ-じつぞう

  1893-1945大正-昭和時代前期の彫刻家。
  明治26年生まれ。大分県出身。
  朝倉文夫に師事。東京美術学校(現東京芸大)卒。
  大正8年「晩春」が帝展初入選。
  大正15年斎藤素巌(そがん)らと構造社を設立。外遊後,帝展無鑑査となる。
  昭和10年帝展の改組で第三部会(のち国風彫塑会と改称)を組織した。
  昭和20年4月5日死去。53歳。


●構造社の結成

  日名子実三は大正7年に東京美術学校を卒業、翌年から帝展に連続入選した
  気鋭の彫刻家としての活躍を開始する。
  しかし大正15年に彫刻の分野としては初の在野団体「構造社」を斉藤素巌と
  共に結成した。
  それは彫刻と建築との融合を目指し、公共的モニュメントやさらにレリーフ・
  メダルの制作などを通して彫刻を社会に向けて開放することを提唱し活動を
  行った団体。


●公共芸術勃興の契機としての帝都復興創案展

  関東大震災に見舞われてから半年後の大正13年に、帝都復興のデザインを
  広く募る目的で国民美術協会主催の展覧会、帝都復興創案展が催された。
  例えば建築では「分離派」・「ラトー」・「メテオール」などの団体が出品し,
  また美術関連「マヴォ」も分野の枠にとらわれず前衛的バラック装飾で
  街を飾る目的を含んだと思われる大胆な試案を行った。
  日名子実三も彫刻家としてバラック装飾社に参加する一方、復興創案展で
  「文化炎上」と題したモニュメントのモデルらしき作品を出展し賞を得ている。
  こうした日名子の行動は、建築や彫刻の旧来の領域観念を打破した活動を行おう
  とするきっかけのひとつになったに違いない。

  『彫刻家・日名子実三展』 大分県立芸術館 2009年
  『構造社展-昭和初期彫刻の鬼才たち展』各美術館 2005-2006年



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