新・古美術 【陶 陶】
 
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蔡徳金

書(劉禹錫 詩)


箱無し

 






     価 格:問い合わせ
     サイズ:151.0×35.8cm(91.5×32.7cm)

     蔡徳金

      1935年生まれ。河南省信陽県柳林郷の人。
      1958年7月に北京師範大学政治系を卒業後、同校にて中国革命史の助手となる。
      1978年より中日戦争史及び日本軍占領地区の汪精衛傀儡政権の研究を専攻する。
      著書に
       『汪精衛偽国民政府紀事』(共著、1982年、中国社会科学出版社)、
       『汪精衛評伝』(1988年、四川人民出版社)、
       『朝秦暮楚的周仏海』(1991年、河南人民出版社)などがある。

     〔読み〕
      沈舟側畔千帆過,病樹前頭萬木春。
            酬樂天揚州初逢席上見贈 劉禹錫

     〔注〕
      巴山楚水淒涼地, 巴山楚水 淒涼の地,
      二十三年棄置身。 二十三年 身を棄置す。
      懷舊空吟聞笛賦, 舊を懷しみ空しく吟ず 聞笛の賦,
      到ク翻似爛柯人。 クに到りて 翻って似る 爛柯の人。
      
沈舟側畔千帆過, 沈舟の側畔 千帆過ぎ,
      
病樹前頭萬木春。 病樹の前頭 萬木の春。
      今日聽君歌一曲, 今日 君より聽く 唱一曲,
      暫憑杯酒長精神。 暫く杯酒に憑つきて 精神を長ぜん。


    酬樂天揚州初逢席上見贈
     
白居易に揚州ではじめて出逢い、その席上で詩を贈られそのお返しを作った。

    巴山楚水淒涼地
     
巴の山々や楚の川のあるところはぞっとするほどものさびしい地方で。
    二十三年棄置身
     
二十三年もの間、この身をうち棄てていたところだ。
    懷舊空吟聞笛賦
     
昔を懐しんで、空しくいたずらに故郷を懐かしむ詩を吟じていたものの。
    到ク翻似爛柯人
     
故郷に帰ってみれば、反対に朽ち果てた枯れ枝のような人に似ていた。
    沈舟側畔千帆過
     
沈んだ小舟(自分)の傍らを、多くの帆船(同僚)が通り過ぎ。
    病樹前頭萬木春
     
病んだ木(自分)の前にも、あらゆる木にとっての春がやってきた。
    今日聽君歌一曲
     
今日は、あなたよりの一曲の歌を耳をすまして聴き入り。
    暫憑杯酒長精神
     
暫くは幾杯かの酒に頼って、精神を昂揚させよう。


    ◆劉 禹錫 りゅう-うしゃく 772〜842年

     中国、中唐期の詩人。
     中山(河北省)の人という。
     字は夢得。監察御史、太子賓客。
     柳宗元・白居易と親しく詩を応酬し、「劉柳」「劉白」と称された。
     民間で歌われていた「竹枝詞」などを文学作品に高めたことで知られる。
     また「天論」を著し、天命論を批判。


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